軒の隙間風対策

古民家の隙間風対策

  • 部材の選択と加工方法の検討
  • 隙間埋め作業の実際
  • 断熱性の効果

里山モノジロウ」の実家は築50年を越えています。木造在来工法で造られていて古民家の部類に入るか分かりませんが木材と土壁で出来ています。長年、風雨にさらされているのであちこちが痛んでいます。

 冬の気温がマイナス4度Cぐらいまで下がるこの地域で暖かい冬を過ごすためには暖房が不可欠です。

 エコで安価な暖房にするには暖房器具の選択が大事ですが最強の暖房器具は”断熱”であると思っています。しかし、土壁と柱の間に隙間があるため断熱性能を語る以前の問題が多くあります。

 その一つに縁側の上部で下屋の垂木と軒桁の接合面にできた隙間と、軒桁とその下にあるサッシの鴨居部分との間、10cm幅ぐらいの羽目板の隙間。

 この部分は杉板一枚なので断熱性の改善は必須です。これを補修する方法を考えていたのですが良い方法が見つかりませんでした。スタイロフォームが安く良いのですが、厚いことと加工精度を上げることが難しいと思われます。さらに色合いを無垢の木材にあわせるのが面倒そうでコストアップになりそうです。

 隙間を確実に塞いだ上で断熱性もある程度確保できる素材はないか探していました。

「モノタロウ」のページを見ていたら「コルクのフロアクッション」が目に入りました。コルクの色は無垢の板材に近いので遠目には違和感がなく、厚さはありませんが密度の高いスポンジ状で少しは断熱性があるだろうと思いました。安価で加工がし易いと思われます。これを切ったり繋いだりして隙間埋めと断熱改善をしたいと思います。

以下、作業手順を紹介します。

軒桁 外から見た目

     軒桁 外から見た目

     内部の構造

隙間

背割り: 軒桁は杉の丸太が使われています。割れや反りを抑えるために丸太の表面から中心に向かって切り込みが入れてあます。これは「背割り」と言われるもので長手方向に通してあり,幅が2cm、深さが10cmぐらいあります。
背割りの外側の淵に板がはめ込んでありますがこの板と垂木と軒桁との接合部分に隙間があり外の光が透けて見えます。

背割りの隙間に「バックアップ材」を埋め込みます。バックアップ材の直径は隙間の幅よりも少し広くなっています。これも「モノタロウ」で買いました。

バックアップ材は直径20mmのものです。バックアップ材は壁と柱や設置した機器との隙間などをコーキング材で埋めるときコーキング材を後ろで止める役割をする材料です。5mmほど長めに切って押し込みました。

一番太いもので丁度良いサイズでした。

準備した「コルクフロアマット」です。450mmx450mmで8枚入り。
厚さは表面のコルク部分が1mm。全体で8mmあります。連結用の耳がついています。フロアに敷いて使うだけあってスポンジ部分もしっかりしています。

耳をカット まず、連結用の耳の部分を切って直線を出します。

寸法の取り方
 軒桁が丸太なので微妙にテーパ状になっているのでサイズ測定が重要です。実寸より2mmぐらい広いと間に挟まって安定するのですが、小さいと外れてしまい、大きいと膨れてしまいます。採寸は、定規類は使えず、型取りのツールも奥行きが足りませんでした。

マスキングテープを張って実測しました。

2mm広く墨付けをします。

カットの方法
 カッターで切るか?ハサミで切るか? カッターはコルクの切り口はきれいになりますが一気に切れないので何度も(4~5回)刃を通さないといけません。一方、ハサミはこの厚さですと一回で何とか切れますがコルク部分がつぶれてきれいに切れません。
 カッターで切り込みを一度入れてからハサミできることにしました。

はめ込み方法
先に下端を押し込んで次に上端を押し込みます。

 この時、固めのスポンジが丸太の勾配を上手く吸収して表面のラインがぴったりと来ます。上手くフィットしてくれています。
 今のところ浮いていませんのでピンを打たないで様子を見ます。接着剤は後々のために使いたくありません。

 軒桁の下端とサッシの鴨居上の間の板は10㎝弱の幅です。軒桁の杉は丸太なので太さが場所によって太さ変わるのではめ込み材はテーパ状になります。
 実寸よりも1.5㎜から2㎜ほど広めにするとかみ合って丁度良いのですが、2㎜より広くなると真ん中が盛り上がってしまいます。切った後で微調整できますが(少し広ければ)、一発で決めたいところです。

マットの連結
垂木の間はフロアマット一枚の幅で間に合いますが、サッシの上の部分は一間(約1.8m)あるのでマットを4枚連結して使います。連結部の幅が狭いので持ち上げると外れてしまうので裏側をセロテープで仮止めします。

連結部は押し付けて慣らすと遠目には分からなくなります。

湾曲部も上手くフィットしています。

端の処理
丁度、耳のところが右端になるので裏からテープで止めて押し込みます。

軒桁の上部、下部の隙間はとりあえず塞がりました。 


 垂木の間に白く見えるのはコバックアップ材でコルクマットが馬乗りになっているためです。下から見ると白いバックアップ材は見えませんのでこれで良し!とします。
 軒桁のシミは表から高圧洗浄をしたとき、内側へ水漏れしたものです。内側は改めてクリーニングをしたいと思っています。

 今までよりは外気の影響を受けなくなると思いますが、足りないようであれば表側にもコルクマットを張ってみるつもりです。隙間風を少なくして暖房費を節約したいと思います。

まとめ

  • カバーする面積が小さかったことと伸縮率が丁度よいスポンジ状の部材を押し込むことで簡単に取り付けが出来ました。
  • 加工がし易く単価も安かったので隙間埋めの部材としてコルクマットは良い選択肢であったと思います。
  • フロアマット用のスポンジ材のため耐久性がありそうです。また屋外で使っても直射日光が当たらなければ耐久性が期待できそうです。
  • 断熱性能は1シーズン様子を見ようと思います。

 ブログ記事とほぼ同じ内容を「YouTube動画」で視聴できます。

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