味噌づくり
今年の味噌の仕込みを始めます。毎年1月、遅くとも2月中の寒い日に味噌を仕込みます。今朝も霜が沢山降りています。
乾燥大豆を容器に入れて一昼夜、自家水に浸して置きます。
前日から24時間以上かけて水を十分吸わせます。水の吸収が進むと上部が干上がってしまうので何度か給水します。
当日、大きな釜をセットして、最初の大豆を煮ています。ホンマ製作所のストーブカマド「SKS-510」です。何年か前に購入したもので火力が強く(8000キロカロリー)、大量の煮物、茹で物に最適です。
使っている釜は「5升炊き」と言ってお米を一度に5升炊ける大きさの釜です。古物市で手に入れたものです。(災害時に使えるかも?)
火力が強いのでよく吹きこぼれてしまいます。焚き始めると目が離せません。鉄製の玉を入れると噴きこぼれないそうですが市販品は高いので考え中です。
柔らかくなるまで3時間から4時間程掛かります。粒の硬さが親指と小指で挟んだ時に軽く潰れるようになると煮上がりです。
煮上がった大豆は潰してペースト状にします。思い切り原始的な方法で潰します。
臼と杵です。60年以上使っていると思います。それぞれ熱湯で軽く洗います。気休め程度の作業ですが雑菌を少なくするためです。
煮上がった大豆5㎏分を臼に移します。餅つきをするように杵を振り上げてつくことはしません。
カーブに沿って杵を押し付けながら潰します。臼の周りを回りながら全体をまんべんなく潰して行きます。
ちなみに餅つきも、杵を振り上げてつく前に”練り”の作業が必要です。蒸かしたもち米をそのまま振り上げてつくと米粒が飛び出してしまいます。
途中、何回か休憩しながら大豆の粒がなくなるまで潰し続けます
途中、淵に寄ってしまうのでシャモジで移動します。
水分が蒸発して徐々に硬くなり、杵に着いてしまいます。さらに粘りが出て重くなるので、
釜に残っている大豆の煮汁を加えて軟らかくしながら練っていきます
少し硬めにするのがコツです。
次は衛生手袋をして「米麹」を混ぜていきます。
麹は販売用に1㎏単位の袋に分けられているので1㎏当たりの塩を予め混ぜてあります。5袋を臼に入れます。
麹が乾いているので混ぜにくいですが臼の底まで良くかき混ぜます。最後は手で底まで返しながら混ぜます。
ここで硬さ調整をします。耳たぶを触った時の硬さになる様に煮汁を何回かに分けて加えます。
全体を細かく切るようにして均一にします。
仕込用の樽は内側に焼酎を吹きかけておきます。
味噌玉を作って樽に投げ込みます。ハンバーグの空気抜きと同じように良く叩いてから投げ込みます。
投げ込むことによってさらに空気を抜きます。
これで最初の5㎏の大豆が終わりました。残りの5㎏の大豆が煮え上がりましたので同じように味噌玉にして樽に入れます。
材料が全部入ったところで上部を手で平らにして表面積を最小にします。
表面は空気に触れてカビか生えやすいため塩分濃度を上げておきます。このために全体で2㎏の塩から、予め5パーセント分(100g)を取り置いてあります。この塩を撒いてならします。
次に昆布を敷きます。だし昆布ですがこれでも全体の味が良くなります。続いてラップをかけ、焼酎を吹きかけます。スプレーの中身は焼酎です。
焼酎(35度)よりもアルコールの方がいいだろうと思って消毒用アルコールを使ったことがあるのですが、見事にカビが生えました。やはり焼酎の方が効果がありました。 中蓋をして樽の淵に着いた大豆を拭き取り、上蓋をしてから物置きにおきます。
樽の重さは30㎏以上になっていると思います。 夏には”天地返し”と言って別の樽に移し替え、上部と下部を入れ替えます。こうする事で塩分濃度と発酵が均一化されます。天地返しをなくても味噌は出来上がります。 夏には味噌として食べられるようになります。
地元産の大豆10㎏と米麴10㎏、天然塩2㎏の割合で毎年、作っています
味噌には防腐剤、保存料、着色料なし。使う水にも塩素は入っていません。 味噌のおいしさを実感するのはやはり味噌汁です。
朝の味噌汁が健康維持に効果的! 乳酸菌によって腸のコンディションが整い、ストレス、不眠、肌荒れ、冷え性、花粉症、大腸がんのリスク軽減、便秘予防などに効果があると言われています。
「里山モノジロウ」の家でつくる味噌の量は自家消費するには多すぎるので親族に配ります。毎年少しずつ繰り越しがあります。
まとめ
大豆と米麴と塩の割合は1:1:0.2、塩分量は控えめです。コツは大豆を柔らかく煮て十分に潰すこと、安定した保存場所が確保できれば味噌は作れると思います。
本記事とほぼ同等の内容でYouTubeでもご覧いただけます。
追記:2021年度の味噌は8月に入って食べてみると味噌の味になっています。まだ、若い感じはしますが麹の香りと昆布のコクが出ています。ショウガやキュウリ(自家栽培)につけて試食しました。