白菜の栽培 napa-cabbage-growing
今年の白菜の栽培は8月29日の種蒔きから始まりました。育苗ポットは合わせて100鉢を準備しました。白菜は多くの品種がありますが、里山モノジロウの家では「金将2号」、一本です。理由は柔らかく味が良いからです。一方、弱点もあります。病気に掛かりやすく温度に敏感で結球させるのが大変です。しかし、おいしさには代え難いものがあるので毎年、「金将2号」です。
苗づくりのポイントは「土」と種まきの「時期」です。育苗用の土はサカタの「スーパーミックス」です。発芽率が断然良いので今のところ他の選択肢はありません。
露地栽培で白菜を大きく、そして硬くするには結球する前に葉をなるべく大きく育てておく必要があります。そのためには、適切な時期に種蒔き、植付けをすること。病気=「ベト病」に掛からないようにすること。害虫にやられないこと。が重要です。
これらを実現するには相反する条件を上手くクリアする必要があります。夏の終わりの暖かい時期の方が苗の成長がしやすいのですが、気温の高い日が続くとベト病が出やすくなり、害虫も多くなります。
気温が種蒔きの「日」を決定する大きな要素です。発芽後の気温があまり上がらない日を8月の終わりのどこかで見極めて「蒔く日」を決めます。
今年は猛暑日が一旦途切れる8月29日とします。種蒔きです。
「サカタのスーパーミックスA」を予め湿らせて置きます。先ず、鉢底から1/4ぐらい土を入れて強く押し固めて置きます。これは伸びた根を鉢底で上手く回らせるためです。それから上はフカフカにしておきます。
種を2-3粒、少し離して落とします。乾いた土を種が隠れるくらい掛け、軽く押します。すべて蒔き終わったら土を流さないようにジョウロで水をかけます
トレイは必ず台の上に置きます。これは発芽後、コオロギに食べられないようにするためです。3日で発芽します。発芽したら陽にあたるようにしますが、強い日差しを避けるためにヨシズを掛けます。小雨程度はヨシズ。強い雨はビニールを掛けて雨避けとします。今年は「専用の屋根」を作りましたので屋外ですべて対応できそうです。
しかし、種蒔き以降、曇り、雨が続き発芽し苗は例年の半分ぐらいのままで一週間経ちました。その間に間引きをして一鉢に一本とします。丁度、10日で本葉が2枚出て少しずつ大きくなっています。
鉢から外して見てみると既に根が底まで到達しています。今年の苗は発芽後の気温が低めで日照も少ないので例年の半分ぐらいの大きさですが、葉、根ともに健康そうで苗としては素性が良いそうです。既に何本か虫が食べていましたので「トレボン」を薄めにして消毒をします。
本葉の3枚目が大きくなってきたので植付けをします。事前に植える場所を準備してあります。30センチだと大きくなった時に隣と近すぎるため35から40センチぐらい開けると扱いやすくなります。ネキリムシ対策として「モスピラン粒剤」を撒いて土と良く混ぜます。
苗の鉢は植える直前に水に数分間、浸けておきます。こうすると着きが良くなります。そして消毒「オルトラン」を散布して置きます。今回は33鉢、植付けました。植え付けた株は2か所、全部で80株です。
2日おきぐらいに見回って様子を確認します。雨の後は必ず見回って、害虫が付いているようだったら晴れた日に消毒をします。
消毒をしました。曇りが続いているため成長がゆっくりです。涼しいので虫も少ないようでいいのですが、寒くなる前にどれだけ葉を大きく出来るかが鍵です。台風の風雨が心配されましたが少し外れたコースになったため影響はありませんでした。風に煽られて茎が振り回されてしまうと折れたりすると枯れてしまうので急遽、寒冷紗を掛けましたが台風がそれてしまい大丈夫でした。
気候に対して迅速に対応していくのは白菜の場合、再植え付けが出来ないからです。発芽と植付けの時期を逃すと生育しないためです。
種蒔きからおよそ4週間、植付けから2週間経ちました。植付け後、1週間は晴れた日が続いたので葉の直径が30センチメートルを越えました。この時期までにいかに葉を大きく育てられるかが確実に結球させることと、そして大きな株に育つかの重要なポイントです。
お彼岸を過ぎて朝晩の気温が20度を下がると結球が始まります。この時には葉の直径が40センチメートルを超えていると理想的です。ここ2-3日で急に、葉が大きくなりました。これは根が肥料の深さまで到達し、肥料分を吸収し始めたからです。
一部の葉に穴が開き始めています。2回目の消毒をします。消毒は全部で3回を目途に行います。
1回目は植え付け時、
2回目は葉が大きくなって虫が付いたら、
3回目は結球を始めたら行います。
結球時に中に虫が入ると芯を食べられてしまうからです。
台風16号(2021年)の動きに注意!風が強そうなのでコースによっては対策が必要です。台風が近づいてきました。どれくらいの風になるか分かりませんが予防措置として風除けをします。2か所ともアーチ型の支柱に寒冷紗を掛けて風対策とします。台風の風は思ったより弱く、対策なしでも良かったくらいでした。通過の翌日、寒冷紗を外しました。
葉の直径は数日間で40センチメートルから50センチメートルを越えました。芯の部分の葉がわずかに中心に向かっています。結球の準備に入ったようです。10月に入っても25度を超える日が続いているので成長が続いています。
殆どの株で葉が立って来ました。結球が始まっています。ここで「シンクイ虫」にやられると元も子もないので追加の消毒をします。しかし、薬剤は薄めです。(トレボンは弱めの薬剤ですが、通常500倍のところ、1000倍程度まで薄めてあります)。これで結球前に出来る事は全てやりました。10月に入るまで暑い日が続いていましたが病気(ベト病)にならずに済みました。害虫も最低限の排除が出来ました。後は寒くなって本格的な成長を待つばかりとなりました。
10月半ば、ゆっくりですが結球が進んでいるようです。虫に食われたところも少なく順調なようです。10月後半、背丈が少し伸びたようです。昨日に比べて気温が一気に下がり、朝、10度くらいまで下がりました。白菜の葉がさらに巻いてきました。外側の葉が立ち始めています。触ると芯はまだ柔らかい感じで詰まっていません。
最後の消毒から日にちが立ちましたので葉の様子を見ました。いくつかの株は上部にフンのようなものが着いています。葉を分けてよく見ると「ヨトウムシ」がいます。消毒の効果が薄れてきたのに合わせて出現しています。芯のところまで食べられてしまった株はダメそうです。フンのある株は確認してヨトウムシを取り去りました。
適切な時期に消毒をするか、また寒くなってヨトウムシが少なくなって居なくなるかギリギリの選択が必要です。もうすぐ11月なので寒さも一段と厳しくなるので大量に発生することは無さそうです。 一方、もう一つの畑では消毒の回数が一回多くなっていたのでヨトウムシの侵入はありませんでした。
11月、葉の様子を確認しました。一ヵ所に一匹だけヨトウムシがいました。芯の近くまで食べられた株は結球が止まってしまい成長していない様です。3-4株の被害で、その後は増えていないので追加の消毒はしないことにします。
11月半ば、ヨトウムシの被害は止まっているようです。ひとつの畑は結球したものの内、いくつかはだいぶ固くなっています。そろそろ収穫できそうです。新たな虫食いカ所は出来ていないようなので害虫の被害は寒くなって収束したようです。一方、株が段々と大きくなっています。
「巻き」が固くなっています。肥料を追加した畑では株が大きくなっています。 初物を収穫しました。重さは4Kg近くありました。まだ大きくなると思われます。
12月、霜が降りてしまいましたが、白菜の「頭縛り」をします。放置すると表面や頭頂部の葉が凍って水分が出てしまい、枯れて痩せてしまいます。縛ることによって寒さにさらした「越冬白菜」は甘さも増すそうです。縛る紐はバインダー(稲刈機)の麻紐を用意しました。滑らず縛りやすいです。まわりの葉を寄せて頭頂部をカバーします。「頭縛り」(はちまき)をした白菜に早速、霜が降りています。はちまきをしても中では芯が成長するのでもう少し大きくなると思います。12月半ば、ほとんどの株が固く巻いてきました。霜に当たりさらに甘みが増して鍋物に最適な時期となります。
年が明けると更に冷え込んで「はちまき」しても凍結してしまうので年末には白菜を全部収穫して軒下で保存します。すべての白菜が収穫出来ました。年内に収穫して、屋内(屋根の下に)並べて風除けをして置けば氷点下でも凍りません。2月から3月まで保存できます
収穫後の畑はマルチを処分して石灰を振って置きます。白菜は「葉もの野菜」が少なくなる 冬の野菜として必需品になっています。毎年、自家栽培をしています。
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