麦の栽培

 野菜づくりの補助材として「麦わら」が必要となったので麦の栽培にチャレンジします。種の入手から収穫、そして麦わらを取るまでをまとめてレポートします。

 里山モノジロウの家はもともと農家でしたので30年位前までは米も麦も自家栽培をしていましたが、麦は昭和の時代に作らなくなっていました。令和の時代になってモノジロウが野菜づくりをしようとして、稲わら、麦わらを栽培の補助材として使おうとしましたが、稲わらも麦わらも入手困難になっていました。

 辛うじて稲作をしている農家から稲わらを譲り受けようとするとそれなりの対価を必要とします。自家調達をしようとすると稲を作らなければなりませんが、稲作をしようとすると水の確保から田んぼの復活、機材の整備、ノウハウの点から難易度が高く簡単には取り組めません。「麦」であれば何とかなりそうです。

 麦の品種は「種もみ専門店、のうけん 農林61号」。栽培しやすく背丈が大きくなるそうなので麦わらには適しています。種は夏ごろに予約して10月半ばに1㎏入手しました。

 11月初旬が種まきです。一度、トラクターはかけてあったのですが、土が固まっていたので再度、トラクターで表面を滑らかにして作切りました。 種は深さ3センチメートル程度の溝に手で落としていきます

 2週間で発芽しました。思ったより早く、均一に発芽しています。「麦踏み」は小さいうちに2~3回行います

 1月は霜の降りる日が多いですが麦の葉は霜を受けながらもしおれることなく成長しています。2,3月は順調に成長していましたが4月に入って寒い日が続いているため成長はゆっくりとなっています

5月、週を追うごとに成長し、葉の緑も濃く元気そうにみえます。穂が均一に出ています

 背丈は人の腰よりも高くなりました。春の風を受けてしなやかになびいています

 穂が出て実が入ると先端が重くなり風で倒れないように根元に土をかけて安定させます。とりあえず片側から土を掛けます。

 受粉したので実が膨らんできました。少しずつ葉と茎が黄色くなってきました。刈り入れです

 朝からエンジン式の刈り取り機を整備。以前使ったのは4年前、燃料は劣化を避けるために抜き取ってありました。ガソリンを入れて吸入後、エンジンは一発でかかりました

 問題は刈り取った麦を束ねる機構が上手く働くか? 一束ずつ麻紐で結束して吐き出してくれるか?  紐のセッティングは前の時のままで取りあえず刈り取り本番

 最初の2-3束分は動作しませんでしたがその後は上手く束ねて吐き出してくれました。 しかし、稲の刈り取り用で1条刈りなので株の中心に本体に中心を持ってこないと両端が刈り取り機の中に入りません。 左右のコントロールを上手くやらなければなりませんが、 麦の場合土入れをしてあるので株元が盛り上がっていて刈り取り機の両輪を上手く操らないと左右にぶれて株全体を取り込めません。 少し外しながらも概ね刈り取りが出来ています。 土の盛り上がりを吸収するためにはタイヤの空気を抜いてフワフワにしておくといいかも知れません

 刈り取り自体は早いのであっという間に終わりです。途中で結束しなくなりなしたが麻紐の送り出し口に詰まってしまったためでした。刈り取り機デビューに関しては概ね合格としましょう

 束にしたものを集めて軽トラに積みこみます。一台で十分運べる量しかありません

 家に着いたら風通しの良いところに立てて(穂を上にして)並べておきます。一ヵ月ぐらい自然乾燥させて置きます

梅雨が明けて晴れが見込まれるので脱穀します。

 本体と殻などの飛散防止用のシート類の準備が整いましたので早速、脱穀をします。作業自体は機械がしますので楽ですが、当日は真夏日でしたので汗だくです

 今回の麦の栽培は実を取るためではなく「麦わら」と「ヒール」を取るためです。麦わらは穂を脱穀した茎(Straw)です。そして「ヒール」とは脱穀した穂のカラです

 ヒールは吹き出し口にネット状の袋を被せて集めます。麦わらは一束にまとめます。全部で12束ありました。数年間は野菜づくりの資材として使えるでしょう

 ヒールはニンジンの「掛け土」の代わりに使ったり、夏野菜の根元に撒いて補水と地面の温度上昇を抑えたりするために使います

 自然の素材は後処理も自然に任せることができるので循環型社会には良い素材です。

 脱穀された麦の粒と麦の殻、細かい麦ワラが混じっているので唐箕を使って分離します。唐箕は送風機と麦を少しずつ落とす装置とで出来ています

 重いものは送風装置の近くで落ちて軽いものほど遠くへ飛ばされます。重くて小さい麦は1番目の出口へ。軽い殻や大きいワラは外へ排出されます

 少し軽い実や重めの茎などは2番目の出口へ出ます。それぞれの出口は開口部の調整が付いています。また、風量と落下量も調節できますので都合、4つダイヤルで何回かリトライをして分離をします

 乾燥具合、殻やワラの混じり具合で調整して何度か通し直しをして実だけを分離します。慣れるまで時間がかかります。調整している間に終了です

 唐箕を通した実にはまだ、「シイナ」(実入りの悪い粒)や途中で石などが混じっています。これを取るために昔は「箕」(み)を使っていました。軽く小さな殻を揺すって分離したり、箕の中で広げて小石などを取ったりの作業があります。しかし、箕が無いのでフルイを使ってこの作業をします

 フルイの目の細かさ分離できるものが違うので試してみると2.5mm目のフルイが良好な麦の粒を残して、シイナを落としてくれることがわかりました

 今回の麦の実をさらに選別していくとシイナの比率が多いことがわかりました。製粉して小麦粉にしても量が少なく、今回は製粉しないこととしました。(残念!うどんが!)

 不良の原因のひとつに刈取り後の乾燥中に麦の実にガの幼虫が入ってしまっていることが挙げられます。麦刈りから脱穀まで一ヵ月以上に渡って風通しの良いところに置いたのですが、蛾が卵を産み付けてその幼虫が麦の実に入りこんでしまいました。梅雨だったので脱穀した実を干せないので脱穀作業を見送っていたのですが、その間にこういう事なっていました。保存は密閉した室内でなかったことと、土間に置いたことが失敗でした。風通しは良かったのですが残念です

本来の目的の「麦わら」と「ヒール」を得ることが出来たのでOKとします

麦の栽培方法が分かったのでいざと言う時には、麦でも作って食糧確保しましょう

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